Technology introduction技術紹介
当社製ガス混合機の技術の根底となる、"流量制御"と"圧力制御"を紹介します。
What is flow control?
流量制御とは?
混合機 内部の各機器
ガスを混合して使用する場合、混合する比率が常に安定していることが重要となります。
精度の良い混合ガスを製造するためには、各ガスを精度良く流し、それらを完全に混ぜる必要があります。そのためには、混ぜる各々のガスを正確に安定した状態で制御して流すことが重要です。
流量制御の2大要素は、圧力と絞りです。
例えば、2種類のガスを混合する場合、絞りの手前の圧力を一定になるように制御しておけば、各ガスの絞りの面積を変えることで混合比率を変えることができます。逆に、各ガスの絞りの面積を一定にしておけば、各ガスの絞りの手前の圧力を変えることで混合比率を変えることができます。
さらに、絞りの手前の圧力を、2種類共、同圧になるように制御して絞りを一定にすれば、混合比率は圧力制御が崩れない限り一定となります。圧力を一定にする方法については、圧力制御とは?をご参照ください。
流量を決定する絞りについては、音速ノズル、キャピラリーチューブ、ニードルバルブなどがありますが、当社では、ガス種、差圧、濃度、使用方法などの目的に合ったものを選択して、混合機を製作しております。例えば、常に混合比率を一定で使用する混合機の場合は、音速ノズル同士の組み合わせで、常に一定の混合比率で混合ガスを製造するようにします。また、混合比率を変える可能性のある混合機の場合は、一方をニードルバルブとすることで、絞りを変化できるようにします。
このように、圧力と絞りを制御することで、流量制御を行います。
What is pressure control?
圧力制御とは?
ガスは、圧力の高い所から低い所へ流れようとする力があります。その流れの中に絞りを入れることにより、流れる量を変えることができます。また、絞りの前後の圧力差を変えることでも、流れる量を変えることができます。
図において、P1、P2は絞り前の絶対圧力をD1、D2は絞りの面積、P3は絞り後の絶対圧力とします。すると、(P1/P3)>2かつ(P2/P3)>2という条件が常に成り立つ場合、AガスとBガスの比率を決定する要素として、P1、P2、D1、D2があります。
仮にP1、P2がそれぞれ常に一定であるなら、D1、D2各々を変化させることによって流量の割合を変えることができます。また、逆にD1、D2がそれぞれ一定であるなら、P1、P2各々を変化させることによって流量の割合を変えることができます。
ここで、P1、P2を常に一定に制御し、かつP1=P2としておき、D1、D2を各々のガスの比率の大きさに対応する径にすれば、常に一定の割合の混合ガスを製造することができます。
P1、P2を同圧にするならば、等圧弁を用います。等圧弁とは、減圧弁の圧力設定用のスプリングの代わりに圧力導入口から一方のノズルの圧力をもらい、もう一方のノズル圧力も ほぼ同じ圧力に制御する構造を持った当社のオリジナル機器です。以下、当社の基本的な混合機のフローシートをご参照ください。
音速ノズルについては、音速ノズルとは?をご参照ください。
RVは、等圧弁をコントロールする、ドライブ圧力用 減圧弁です。AガスはRVにてP1に減圧されてノズルに流入します。P1の圧力は同時に等圧弁に伝わります。Bガスの圧力は等圧弁によってP1とほぼ同じ圧力に減圧調整され、ノズルに流入します。
What is a sonic nozzle?
音速ノズルとは?
ある絞りを通過するガスの絞り前後の圧力比が臨界圧力以下(空気の場合は、約0.53)になると、絞り内を流れるガスの流速(速度)は音速になります。この時の絞りを"音速ノズル"と呼びます。この状態を維持する限りにおいては、ガスの流量はノズル上流の圧力により決定されます。
更に、当社ではノズルの形状を工夫することにより、臨界圧力比をさらに上げています。これにより、ノズル下流域(ガス混合機においてはミキサー及びバッファータンク)の圧力範囲を幅広く使用できます。
等圧弁
比重、熱量などの、性質の異なる各ガスの音速ノズル流入圧力を、同じ圧力(等圧)に調整します。
遮断弁
締切性能に優れた空圧式を採用しています。5MPa未満のタイプは当社で設計・製作しております。
音速ノズル ユニット
このホルダの中に、音速ノズルを収納しています。大小の大きさの穴の音速ノズルを組み合わせて、流量調整を行います。
